校長室の窓から
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校長の声
No.8 私だけの神父

No. 私だけの神父 

「聖母を讃える集い」で、みことばの祭儀と講演をしてくださる田端孝之神父に初めてお会いしました。西宮市の仁川学院では毎年卒業式歌を作って歌われたりトライアスロン大会で完走されたりと文武両道(古い言葉です!)のご活躍で、この春奄美大島の教会に赴任されたことは、会場でも紹介させていただきました。集いの後、二人だけで昼食を共にしました。1時間ほどの会食中、ずっとお話をうかがうことができました。

神父さんは長崎の、もと「隠れキリシタン」の家のお生まれで、お父さんは長崎大学で「かまぼこ博士」として知られた方だそうです。長崎、隠れキリシタンと聞いて、すぐに遠藤周作の『沈黙』を思い浮かべました。お父さんが水産学の研究者と聞いて、講演(「君のDNAに話します!」)での、遺伝子考察から祈りへと展開するユニークな構想には、まさに科学者信者の遺伝子が預かっているのでは、と感じました。トライアスロン挑戦は、ご自身の「水への恐怖心」との戦いだったそうです。25mを泳ぎ切れるようになるまでの苦闘と克服できてからの泳ぎのスムーズさとを、如実に語ってくれました。私は不謹慎にも『沈黙』の中で過酷な責め苦にあう隠れキリシタンの姿を思い描いていました。

ご飯ものは鯛釜飯でした。「当地の名物です」と薦めてから箸をつけた私は、好物なので、つい一気に食べ尽くしてしまいました。ふと見ると、神父さんは一膳だけ食べ終えてお箸をきちんと置かれていました。「お焦げもおいしいのですが、今日のはちょっと強ばりすぎかもしれませんね」と余計なことを言うと、神父さんは「食べ過ぎないようにしていますので」と静かに返されました。

人間が生きるために何が大切で何が余計なのか、お顔もお姿もきりっと引き締まった神父さんから直に学ぶことができた幸運を私だけのものに留めるのはもったいなさすぎる1時間でした。

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