校長室の窓から
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校長の声
No.562 さる音楽家のことば

  戸口のマットの上に突っ立って、しばしじっとしていることがある。予期した動きがないので見回すと、ドアには取っ手が付いている。立ち寄ったとある手洗い所では、こんなこともよくある。洗面台の蛇口の下に両手を揃えて差し出し、水の出てくるのを待ち構える。自動のカランを想定してのことである。
 私たちに身近な科学技術の進歩は、その多くが便利さの追求にある。しかし、万事に「一長一短」であることを忘れてはならない。あるものを享受するとき、必ず別のあるものを喪失している。何かが自動になることで得るものがあったとしても、そのために失ったものが何かを知っておきたい。何故なら、できれば他の機会に補充しておきたいからである。
 ただし、これだけは自動にならない、否、絶対になってはならないと思うものがある。かなり前になるが、このサイトに載ったある学年通信の中で知らされた。佐渡裕氏のことば「人生に自動ドアはない」が、それである。人生の楽しさは、それが手動であることに尽きる。だから、冬休みの計画は立てるべきである。


562男子手洗い所